Hôtel-Dieu

昼食後、一度ホテルに戻り、休憩をした後、5時過ぎてからボーヌの名所Hôtel-Dieuへ行きました。

ここは、宰相ロランが貧しい人たちが無料で医療を受けられるように創設した療養院。王侯貴族から寄進されたブドウ園とそこから生産されるワインで、費用を工面したとのことです。
建築と祭壇画が有名なのですが、ロジエ・ヴァン・デール・ヴェイデンの祭壇画「最後の審判」はとても美しかったです。
また、ルーブル美術館に有名なファン・アイクの「宰相ロランの聖母」という作品がありますが、この絵に描かれた宰相ロランが、まさにこのボーヌの療養院を建て貧しい人々の医療に貢献した人だと初めて知りました。「宰相ロランの聖母」は本当に美しい作品ではありますが、聖母子と自分を同じ絵に描かせるなんて、この宰相ロランは自己顕示欲の強い権力者かと思っていました。それがこんなに慈悲深く、また単に自己犠牲をするのではなく持続的な仕組みを作る賢者であったとも分かり、感心されられました。