金沢旅行 3日目

金沢最終日。
今日もゆっくり起きて、朝食を頂き、《石川県立美術館》へ。 野々村仁清の色絵雉香炉と色絵雌雉香炉をはじめ、古久谷の大皿や、蒔絵などの作品をゆっくり観て回りました。

その後、少しお土産物などを見て周り、21世紀美術館の気持ちの良いカフェレストランで、パレットを模したプレートでのビュッフェランチを食べ、その後予約をしておいた《妙立寺》へ行きました。

妙立寺は、私も今回初めて。忍者寺とも言われているそのお寺のことを、楽しみ半分、大した事はないんじゃないかという感覚半分で訪ねてみました。行ってみてその面白さにビックリ!
このお寺は、外様大名でありつつ百万石の禄高を誇る加賀藩が常に徳川幕府とは緊張状態にあったことから、万一敵に攻め込まれた時に、平城である加賀城を守るために要塞の機能を持たせた建築で、犀川沿いに多数建立された寺院群のうちの1つ。外から見ると2階建てですが、実際には4階建て7層で、隠し階段・隠し部屋・落とし穴など外から敵が侵入しても逃亡できるように、また不意打ちを喰らわせられるようになっています。
極めて複雑で、よくよく知らないと迷子になってしまうような建物。案内してくれたお姉さんも、最初はトイレにも一人で行けなかったらしいです。実際に、案内してもらっていても、思いがけない部屋と部屋が繋がっていて、不思議な感覚に襲われます。
上層部には朱壁、群青壁が美しい居心地の良さそうなお茶室があり、廊下を太鼓橋に模して床を盛り上げてあったり、要塞であることを忘れるような空間があるのですが、その下の階には「切腹部屋」と呼ばれる、一度閉めると内側からは開けられない仕組の、土壁に四方を囲まれた4畳(死を表す)部屋。非常時には自害し、火を放つための部屋だといわれているそうですが、結局、この寺は一度も外敵に襲われることもなく、それどころか戦時中も焼けることなく、平和に現在に残ることとなりました。
にしても、平時・有事のあらゆる用途と可能性を吟味した結果を詰め込み、建築として成立させたのは、本当にすごいです。敢えて大きく曲がった材木を使っている太い梁は、雪の重みを分散させるためで、合掌造りなどにも使われている技法なんだとか。こうした基本的な建築学の知恵とともに、すごい発想力が結集してできた建物なんですね。

大満足の見学の後、オリジナルのペアになっているお守りを買って今回の金沢旅行を終えました。
急遽決めた旅行でしたが、とても楽しかったです。