そうだ京都へ行こう

「お気に入りの仏像を探す」というテーマで京都に来ています。
昼頃京都駅到着。バスで博物館・三十三間堂前まで行き、博物館の喫茶店でサンドイッチを食べ、いよいよ開始です。
まず、以前にも訪ねた三十三間堂をゆっくり見て周り、その後、東大路通を歩いて北上。六波羅蜜寺に到着しました。ここは私も初めてなのですが、一度、空也上人立像の実物を見てみたかったのです。

実際に見てみると、信仰の対象としての仏像というより、芸術としての彫刻という印象を受けました。その立ち姿勢や表情が、空也上人の苦悩に満ちた生き様をよく表していて思わず見入ってしまいます。明るいガラスケースの中、よく歴史の教科書に見られる平清盛像のすぐ隣に置かれていたのですが、もう少し広い空間の中で展示してくれていたらいいのに、と少し残念に思いました。
次に、タクシーに乗り、南禅寺の隣をかすめて永観堂へ。ここも初めてです。
紅葉の名所らしいのですが、紅葉がなくても、とても美しい境内です。伽藍の間を渡り廊下をつたって歩き、臥龍廊の階段を上がっていったところに阿弥陀堂があります。臥龍廊は高台寺にもありますが土地の高低差をうまく使った本当に美しい建築物だなといつも思います。めいちゃんも伽藍をめぐり臥龍廊を上るこのお寺の構造を「何かワクワクするね」ととても気に入ったようです。
そして臥龍廊を登りきったところにある阿弥陀堂には今回見たかった見返り阿弥陀がありました。

本当に不思議な姿です。正面から見ると、そっぽを向かれている感じさえします(笑)。でも、これはそっぽを向いているのではなく後を振り向いているのだそうです。一心不乱に念仏行道をしている永観律師の前に、本尊の阿弥陀仏が壇を下りてきて一緒に行道を始めたため、永観律師が立ち止まって唖然としていたところ阿弥陀様は後ろを振り返り「永観、遅し」と仰ったとか。それは叱るということではなく、頂いたリーフレットによれば「遅れる者を待つ姿勢、思いやり深く周りを見つめる姿勢、そして自分自身を省み、人々と共に正しく前へ進む姿勢」なのだそうです。
正面だけでなく、右側からお顔を見えるようになっているのですが、ご本尊として奥の高いところに安置されている上にあまり大きな仏像ではないので、お顔があまりよく見えないのが少し残念でしたが、確かに優しい表情のように見えました。一度、もう少し間近で見てみたいものです。
帰りがけに、お土産売り場にいらした女性に呼び止められ、めいちゃんが三鈷の松の松葉を頂きました。頂いたときは、縁起がよい松葉だという認識くらいしかなく、その長さ(25センチくらいあります)に驚くと共に、「あれ?松葉って3本だっけ?」と思っただけでしたが、後で調べてみると、松葉は普通葉先が2つに分かれているのに対し、この三鈷の松は3つに分かれている珍しい松の古木なのだそうです。三鈷は智慧、慈悲、まごころを表していて、この松の葉を持っていると三つの福が授かるといわれるとか。へー。
今日は、ここまで。
タクシーでホテルまで行き、チェックインをして荷物を置くと、Nちの家へ。ちょっと遊んでから、一緒に銀閣寺近くのうどん屋さん「おめん」で食事をしました。Nち一家のお気に入りのお店。とても美味しかったし、Nちと一緒で楽しかったです。